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筋肉がもつ様々な特徴の中でも、「相反抑制」というテーマです。
筋肉は、「相反抑制」(相反性抑制、相反性神経支配などともいう)という性質を持っています。
これは、「主動筋が収縮するときに、拮抗筋は弛緩される」というメカニズムです。
主動筋とは、文字通り、「主に働く筋肉」です。
肘の屈曲(肘を曲げる動作)においては、上腕二頭筋が主動筋にあたります。
(上腕二頭筋とは、力こぶが出来る筋肉です。)
拮抗筋とは、関節の動きに対して反対の動きをする筋肉です。
肘の屈曲では、上腕二頭筋が主動筋であるのに対して、裏側の上腕三頭筋が拮抗筋となります。
(上腕三頭筋とは、二の腕の筋肉です。)
つまり、肘の屈曲動作において、上腕二頭筋と上腕三頭筋のあいだには、相反抑制が働いているという事です。
肘を屈曲したいのに、上腕二頭筋も上腕三頭筋も働いてしまうと、屈曲することが出来ないので、上腕三頭筋は「相反抑制」という働きの元、「弛緩される」ことでスムーズに関節を動かす事が出来るのです。
この「相反抑制」は、ストレッチにおいて良く利用されます。
太ももの前の筋肉(大腿四頭筋、腸腰筋)のストレッチを例に、
まず、立位の状態から、片方の足を持ち、かかとをお尻の方へ近づけていきます。
そこから、同側(ストレッチしている脚)のお尻に力を入れてみて下さい。
ものすごく簡単にいうと、「表側の筋肉と裏側の筋肉は逆の役割がある」という事です。
力発揮においてもこの「相反抑制」は利用できます。
例えば、ベンチプレス。
これは、主動筋が「大胸筋」という胸の筋肉です。大胸筋に拮抗する筋肉は、背中の筋肉(広背筋や菱形筋など)です。
「主動筋が最大限の力を発揮する為には、拮抗筋が弛緩されている」ことがポイントです。
ベンチプレスを行う前に、背中の筋肉を少し緩めてあげることで、いつもよりウエイトを上げられるようになる場合もあります。
このように、ストレッチだけでなく、力発揮においても「相反抑制」は利用することが出来ます。
ぜひ、トレーニングをされている方意識してみてはいかがでしょうか!!